西海岸に唯一所在する円空仏。寺伝では寛文2年(1662)に鰺ヶ沢の沖で漁網にかかったものと伝え、「海上漂流黒本尊」の別名がある。なるほど全体に黒色を呈しているが、他の同種の観音菩薩坐像と同じように本来は素木仕上げだったと考えられる。また海中から仏像を招来した伝承は本像のほかにも各地にみられ、漁師の信仰とともに生まれたことが知られる。本像は三厩村義経寺像や蓬田村正法院像などの津軽半島の諸像とほぼ同時期の作で、この後秋田県鷹巣町如来坐像、本荘市大泉寺観音菩薩坐像へとつながる。
概 要
円空仏の名称 | 菩薩坐像 |
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建物名 | 延寿院 |
時 期 | 江戸時代前期 寛文7年(1677)ころ |
所在地 | 青森県西津軽郡鰺ヶ沢町 |
電話番号 | |
備考 | 県重宝 |